ギターを独学していると、一度は迷うはずです。コードの形とTAB譜だけでも曲は弾けるのに、指板の音名まで本当に覚える必要があるのか。短く答えると、すべてのフレットを丸暗記する必要はありません。でも音名をすぐに思い浮かべられる力があると、ギターを「覚えた形」ではなく「音楽」として扱えるようになります。
いますぐ覚えなくてもいい場合
好きな曲をTAB譜でコピーしたり、コードの形を覚えて弾き語りをしたりする段階なら、指板の音名を知らなくても演奏できます。最初の数か月は手になじませることが先なので、この時期に音名のせいでギターがつまらなくなる必要はありません。
問題はその先です。形だけで弾いていると、キーを変えるとき、初めて見るコード進行に出会ったとき、その場でアドリブをするときに、すぐに行き詰まります。
指板がわかると変わる5つのこと
- どこでもコードを押さえられます。バレーコードやパワーコードのルート音は、ほとんどが6弦と5弦にあります。6弦3フレットがGだとすぐにわかれば、Gのコードを指板のどこでも見つけられます。
- スケールを別のキーに移せます。Aマイナーペンタトニックを6弦5フレットで覚えたなら、Cマイナーはルート音Cがある6弦8フレットへ3フレット動かすだけです。ルート音の位置がわからないと、同じ形でも迷ってしまいます。
- アドリブがコードに合った音になります。コードが変わる瞬間に、そのコードのルート音や3度の音をねらって弾くと、ソロがぐっと音楽的に聞こえます。そのためには、その音がどこにあるかがすぐ見えている必要があります。
- 合わせ練習が楽になります。「Dから始めて」「ブリッジはF#に行く」といった言葉をすぐ手に移せて、譜面やコード表を読むのも速くなります。
- 同じ音を弾く場所を選べます。同じ高さの音でも、弦ごとに音色が違います。指板がわかると、アレンジのときにどの弦のどの位置で弾くかを自分で選べます。
どこまで覚えればいい?
目標は「知っている」ではなく「1〜2秒で思い浮かぶ」ことです。数えて探す知識は、演奏中には使えないからです。段階に分けるとこうなります。
- 第1段階: 6弦と5弦の幹音。コードのルート音を探すのにいちばん使います。
- 第2段階: オクターブの形でほかの弦をつなぐ。ひとつの音がわかれば、同じ音を指板全体で見つけられます。
- 第3段階: シャープとフラットまで、すべての位置をすぐに思い浮かべる。
第2段階まで来るだけでも、コード、スケール、アドリブで違いを実感できます。各段階の具体的な方法はギターの指板の音名を覚える方法とオクターブの形のガイドにまとめています。
飽きずに覚えるコツ
指板の暗記が後回しになるいちばんの理由は、退屈だからです。一度に長くやるより、1日10分ほどを毎日、範囲をしぼって、かかった時間を確かめながら続けるほうがずっと長続きします。指板音名トレーナーは問題ごとに反応時間を記録し、遅かった位置をより多く出題するので、今日どこが苦手かを見ながら練習できます。毎日の分け方は1日10分の練習ルーティンを参考にしてください。